コラム

確定拠出年金制度を知ろう!

これから5回に渡って、現在注目されている確定拠出年金制度について簡単にご説明したいと思います。

導入企業の数がまだまだ多くありませんし、導入されていても、その仕組みがあまりピンと来ない方も多いと思います

しかし、掛金が非課税、運用益も非課税、給付の受け取りにも一定の控除があるなど、大変メリットのある企業年金制度です。

うまく活用すれば、きっとライフプランにも役立てられるはず。そのためにも、まずはどのようなものか理解するところからはじめませんか?





第1回 確定拠出年金って?

確定拠出年金(401K)って何だろう?皆さん気になりますよね!


ちょっと池上彰さん風に入ってみました。
池上氏は相手に『平易な言葉で解りやすく伝えること』をポリシーにされているそうで、
テレビなどで拝見していてもとても分かりやすいですよね。


ここでは池上氏に及ばないまでも、
できるだけ簡単な言葉で、
解りやすく確定拠出年金(401K)のことをお伝えしていこうと考えています。
どうぞ皆さんお付き合いくださいませ。


この確定拠出年金(401K)はもともとアメリカでスタートした制度です。


『401K』というのは法律の条項名がそれであったことからきています。
『Defined Contribution Plan』では長いですものね。
日本ではこれをそのまま和訳して『確定拠出年金』と呼んでいます。
また、英文の頭文字2つをとって、『DC制度』と省略されて使われたりもします。


日本の年金制度はよく「4階建て」と表現されます。
1階部分=基礎年金
2階部分=厚生年金・共済年金
3階部分=企業年金等
4階部分=私的年金(養老保険など)


1・2階部分は公的年金ですね。
今回取り上げる確定拠出年金の「企業型」は3階部分に相当します。


(DC制度には「企業型」と「個人型」の2つがありますが、
今回のコラムでは主に企業型について解説させていただきます。)


日本では2001年からこの制度がスタートしましたが、
企業などではもともと確定給付年金制度を導入されているところが多くありました。
英語では『Defined Benefit Plan』、略して『DB制度』と呼ばれます。


先の「4階建て」でいえば3階部分ですね。


文字の上では『給付』と『拠出』の違いにすぎませんが、
意味合いは大きく異なっています。


次回はまず従来からあるDB制度について詳しくお伝えします。


第2回 DB制度と時代の変化

おさらいですが、DCは確定拠出年金、DBは確定給付年金です。


DC制度の企業型では、
企業が従業員に対して年金原資の掛金を「拠出する」ことを約束しています。


一方従来からのDB制度では、
企業が従業員に対して、年金自体の「給付する額」を約束しています。


むろん、退職される従業員の方にとってはDB制度の方がありがたいのですが、
時代の変化とともに企業と現役従業員にとっては重い負担となってきています。


まず、医学の発達によって老後の年数が長くなり、年金支払期間が長期化していること、
長期の不景気と金利低下の影響から、年金原資の運用実績が芳しくなかったこと、


それらが原因で、
年金基金に追加資金の投入を余儀なくされている状態の企業も少なくありません。


他にも


インフレ率の低下、終身雇用制度の崩壊など


こうした社会情勢の変化なども原因としてあげられるでしょう。


これらの急激かつ大きな時代のうねりの中で、
企業側が将来にわたって想定以上の負担を抱えてしまうケースが増えてきました。


つまり、DB制度を維持したくとも経営的に難しい、
という現実に直面している企業も少なくありません。


したがって、


企業側としては長期的な経営の安定のために年金に対する負担を抑えたい、
従業員にとっては老後のために年金の上乗せ部分はしっかりと確保しておきたい、


という双方のニードを満たす、それまでのDB制度とは違った
新しい制度の導入が模索されるようになってきたのです。


そこで注目されているのが、
今回のコラムでお話ししているDC制度=確定拠出年金(401K)「企業型」なのです。


第3回 DC制度の特徴

第2回で、DC制度の企業型は、
『企業が従業員に対して年金原資の掛金を「拠出する」ことを約束する』
とお伝えしましたよね。


従来の企業のDB制度では、企業が全体として積立を行っていますが、
DC制度では拠出された掛金は、従業員個人の資産として積み立てられていきます。


ですから、既に個人の資産として積み立てられている年金原資が、
企業の経営状況の悪化や、途中退職などを理由に減額されたり、
あるいは全面カットされてしまう、といった恐れはありません。


また、DC制度では
積み立てている間の掛金・資産運用による運用益が非課税になります。


これがDC制度導入の最大の利点といえます。
(このことについては第5回で詳しく解説させていただきます。)


少し戻りますが、途中退職されて転職されるという方は、
転職先企業がDC制度を導入している場合には、
そのまま移管手続きをして「企業型」を継続できます。


先に述べました通り、
積み立てられたものは個人の資産ですから、持ち運びができるということです。


転職先企業にDC制度が導入されていない、
あるいは退職されて個人事業主などになる方で、
加入条件に該当する方は、「個人型」に移管して継続できます。
あるいは拠出をその時点でストップして、運用指図だけを行うことになります。


主婦になるという方は、
現時点では個人型に加入できませんので(2014年末現在)、
拠出をストップして、運用指図だけを行っていただくことになります。


将来的には、主婦の方も個人型に加入できるようになる見通しです
(2015年1月の通常国会で加入条件の緩和を審議中、2015年中に法改正を目指す)


さて、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、
いまサラッと「資産運用」「運用指図」などという言葉が出てきました。


DC制度では、個人の資産として積み立てられていく年金原資を
ご自身で「資産運用」していくことになります。


例えば掛金のうち、定期預金に何%、長期国債に何%、国内優良株式に何%・・・
という風に、何にいくら投資するのかを自分で「指図」します。


このことを「運用指図」といいます。


投資というとなんだか難しいんじゃないか、
マイナスになるかもしれないから不安だという方もいらっしゃるかと思います。


ですが、正しい知識に基づいた投資による資産運用は、
決してハイリスク・ハイリターンなものではありません。


次回はDC制度には欠かせない、
この投資による資産運用について少しご説明させていただきます。


第4回 投資はムズかしい??

前回、DC制度では積み立てられていく年金原資を
自分で運用していくことをお伝えしましたね。


これはDC制度だけでなく、
実は基礎年金も厚生年金も同様に
集めた掛け金を増やすために資産運用を行っています。


年金制度に限らず、銀行、損害保険・生命保険会社等は
皆さんから集めた預金・保険料を資産運用しています。


そこではハイリスク・ハイリターンなやり方よりも、
主に長期・安定的な資産形成を目指す運用が行われているのです。


具体的には、
日本国債や安定的な優良会社株、
実績のある投資信託等、
様々な投資先に分散して運用されています。


例えば全体として1億円という資金を運用するとします。
上記の年金運用や銀行・保険会社等は、
全額日本国債を買ったり、会社株のうちどれか1銘柄だけを買うのではなく、
細かく分散させて投資します。


株も1社だけではなく複数の、様々な業種の銘柄を買っています。


「タマゴをひとつの籠に盛るな」という格言がありますが、
何かひとつに投資して大きな損失を受けるより、
分散することによって、全体のリスクを小さくするのです。


こうすることでマイナスのリスクを抑えつつ、運用益を生み出しているのです。


DC制度ではその企業によって取扱い商品の数は違いますが、
投資先として定期預金、日本国債・外国債・株式や不動産の投資信託などの、
安定的なものから比較的変動リスクを取るものまで
様々な選択肢が用意されています。


株式の投資信託では、投資信託運用会社が複数の株を売買して運用しますから、
DC制度加入者個人は「何々の株を何株売り・買い」
などと注文をする必要はありません。


加入者はそれら用意されている複数商品の中から、
「何をどれくらいの割合で買うのか」を指定します。


その後は月1回程度、それぞれの商品の運用実績を確認できますので、
運用実績や受給までの残り期間などを考慮しながら、
個々の状況に応じて投資の割合や投資先を変えたりしていきます。


ですので繰り返しになりますが、
毎日株価をチェックしながら
毎日頻繁に何度も売買を繰り返すわけではありません。


そういった不安・ストレスから開放するのが、長期分散投資なのです。


第5回 DC制度まとめ

第3回でDC制度における税制の優遇について少し触れましたが、
今回はそのことについてもう少し詳しく解説していきます。


もしDC制度を利用せずに、
・自分で資産運用した場合
・個人年金保険に加入した場合
この2つのケースで比べてみましょう。


まず掛金ですが、
どちらのケースも手取り給料から出費するわけですから、
所得税や住民税と社会保険料分、コストが掛かってしまいます。


個人年金保険では、保険料に対して生命保険料控除がうけられますが、
全額非課税となっているわけではりません。


また、自分で資産運用した場合は、
運用益にも所得税・住民税などが課税されます。


一方DC制度ではどうでしょう。


拠出時の掛金は、
税金と社会保険料を控除する前のものです。


さらに運用期間中の運用益は、非課税です。


これらは小さなコストに見えますが、じわじわと運用実績に差を生みます。
短期ならいざ知らず、例えば30歳から開始すれば30年です。


これほどの長期になれば、
両者で残せる財産に大きな差がつくことが容易に想像いただけると思います。


さらに受給時にも、個人年金保険に加入した場合とDC制度では差が生じます。


DC制度では、一時金受取の場合は退職所得控除の対象に、
年金受け取りの場合は公的年金等控除の対象になります。


個人年金保険では、契約者本人が受け取る場合、
退職所得控除、公的年金等控除の対象にはなりません(雑所得となります)


DC制度が税制面で非常に優遇されているのをお分かりいただけると思います。


これは見方によっては、新たな年金積み立ての仕組みとして、
国がDC制度を普及させたいという意向をみてとることができます。


さらに、2015年年始の通常国会から、DC制度の加入者条件や加入期間などさらに多くの方が加入しやすく、弾力性のある制度に段階的に変更する審議がはじまっています。


これにより、今後さらにDC制度の普及が広まることが予想されます。


いずれにせよ、年金積立制度としては、
現役世代にとって、将来の年金受給額をより安心できるものにするために、
ご自身で上乗せが期待できる、とても有利な制度であるといえます。


今回で確定拠出年金(401K)のコラムは最終回となります。


ほんのさわりの部分しかお伝えできませんでしたが、
確定拠出年金制度のご理解に少しでも役立てられましたら幸いです。


最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


Copyright(c) fortress Inc. All Rights Reserved.